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カンボジア情報 Cambodia Information

2024.12.09

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カンボジアの教育現状10 -教育政策を最大限有効にするための改善策 –

こんにちは!さて、複数週に渡りカンボジアの教育現状について解説を続けてきましたが、今回は、カンボジアの教育政策を最大限有効にするための改善策について総括いたします。

はじめに、本シリーズで解説してきたPISAの調査結果から、教育の発展とは複雑な道のりであり、財政投資だけでなく、正しい教育へのコミットメントの必要性がわかりました。

実際に、教育投資額が少ない中での教育の発展は可能であり、経済的・環境的に不利であることが、必ずしも学習の障害になるわけではないことも明らかにされています。例えば上海では、経済的に最も不利な立場にある15歳の学生が、米国などの先進国における最も恵まれた同生徒よりも数学の成績で良い結果を残しています。

とはいえカンボジアは、教育レベルを国際水準に引き上げるには未だ長い道のりがあります。そのためには、以下のような方法で教育の質の改善が見込むことができます。

重要な改善ポイント:

学校の規律強化

学校の規律が整っていなければ、学校教育はより良い学習には結びつきません。

  • 教師や生徒の欠席や遅刻は、教育の質はおろか、授業時間にも弊害をもたらす重大な課題であり、対処策の検討
  • 試験や評価過程での不正に対する厳重措置

授業の質を重視・評価

  • 授業の進捗状況を把握するためだけでなく、指導要領内容を形成するためにも、授業の質を重視し、しっかりと評価をつけることも、教育現場の改善には重要な要素
  • PISA-D調査で明らかになったカンボジアの15歳の学生の約90%が低い習熟度であったことへの対策
  • 授業内の指導方法などを補強する必要性

 授業以外の教育機会の増加

  • カンボジアは生徒一人あたりの教育に対して投資する支出と時間が最も低い国
  • 1日の授業時間を長くするためには多くの投資が必要であり、「国内GDPの3%未満しか教育に投資をしていないカンボジア」にとって、その障壁は低くない
  • 課外活動や課題を増やし、個々のスキルに沿った学習機会を増やすことで自発的な学習を日々の習慣にするような仕組み化が重要に

また上記のような取り組みは、決して学校教育現場だけで有効なものではありません。職場環境の中でも、個々の成長や業務意欲を高めるためにも、上記点に焦点を当て、社内環境整備や業績評価、勤務時間外での交流の機会などを意識的に組み込み、改善を繰り返すことで、会社全体の業績向上や離職率の低下に繋がるでしょう。

以上で最後になります。最後までお読み頂きありがとうございました!

PISAとは “Program for International Student Assessment” の略称で、 1997年にOECDによって開始され、各国の15歳の対象生徒の読解力、数学、理科といった 学問の習熟度及び学校で学んだことを実生活に応用する能力を評価するものです。国や地域を超えた生徒の知識とスキルの習得の傾向を把握することができるため、 国際的なベンチマークとして役立てられています。

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