2025.06.08
急速な経済発展と人口増加を続けるカンボジアの首都プノンペン。高層ビルが次々と建設され、近代化が進む一方で、都市インフラとしてのごみ収集システムも大きな変化の時期を迎えています。
かつて一社独占だった収集業務が複数社体制へと移行し、より効率的なサービス提供を目指しています。
現在、プノンペン市内のごみ収集は3つの会社によって分担されています。2019年までCINTRI社が独占していた収集業務ですが、サービスの質や対応に問題があったため、2021年7月から新体制となりました。
プノンペン北部はシンガポール系の800スーパー社、中心部は中国系のMIZUDA社、南部はカンボジア地場企業のシントリ社がそれぞれ担当。各社とも週に2~3回の収集を基本としていますが、地域や住宅タイプによって頻度は異なります。
ごみ収集料金は以下のように設定されています:
多くの場合、料金は電気代の請求書と一緒に徴収されるシステムとなっており、電気料金支払い時に同時に支払います。ただし、2024年3月時点で未払い金が累計4,000万ドル以上に達しており、多くの市民が支払い義務や方法を認識していないという課題があります。
プノンペンのごみ収集システムは、まだ多くの課題を抱えています。主要なものは以下の3つです。
1. 収集の不規則性: 特に郊外や狭い路地では、収集車が定期的に来ないケースも多く見られます。結果として路上にごみが放置される問題が発生しています。
2. 分別システムの未整備: リサイクル可能なものも含め、すべてのごみが混合で収集され、そのまま埋立地に運ばれています。分別の仕組みがなく、資源の有効活用ができていません。
3. 意識向上の必要性: ごみの分別や適切な廃棄に関する教育や意識向上が十分ではなく、不適切な廃棄方法が見られます。
このような課題を受け、プノンペン市当局は、以下のような改善策を進めています。
日本を含む国際機関も技術支援を行っており、持続可能な廃棄物管理システムの構築を目指しています。市民一人ひとりの意識向上と行政の取り組みが、今後のプノンペンの環境改善に不可欠です。
このように、プノンペンのごみ収集システムは過渡期にあり、課題と改善の取り組みが同時進行している状況です。日本人駐在員や旅行者も、適切なごみ出しルールを守ることで、より清潔な都市環境づくりに貢献できるでしょう。🌱
※本記事の内容は2025年時点の情報に基づいています。最新の情報は、自分で確認してみて下さいね!
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